S3000PTは、インテルがHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)分野向けに開発したシングルソケットのシステムボードです。このシステムボードは、一つのプロセッサがメモリやネットワークやPCI
Expressなどを占有して利用することが可能となるため、従来の複数プロセッサがメモリやバスを共有した場合に問題となるリソースへのアクセス時の競合などを避けることが可能となります。HPCプラットフォームで実行されるアプリケーションは高いメモリバンド幅と高速のメモリアクセスを必要とします。S3000PTのようなシングルソケットは、このようなアプリケーションのワークロードに最適です。
ここでは、公開されているCray XT3スーパーコンピュータとの性能比較をNAS Parallel Benchmark
で行っています。このS3000PTを利用したクラスタは、Cray XT3のようなスーパーコンピュータを上回る性能を示すことが可能となります。NAS
Parallel
Benchmarkは、NASAが開発したベンチマークであり、主に流体解析のアプリケーションのワークロードや動作特性を評価するために開発されたものです。このような流体解析は、メモリ参照が厳しく、メモリ性能が性能を左右することが良く知られています。Cray
XT3が搭載しているAMDのデュアルコアプロセッサは、プロセッサにメモリコントローラを内蔵し、メモリバンド幅とアクセス速度が速いことが特徴であり、この点でインテルプロセッサに対する優位性を示してきました。しかし、S3000PTのようなシステムでは、インテルプロセッサでも同様の優位性を簡単に示すことが出来ます。
評価システム:S3000PT(Core2Duo Extreme)+InfiniBand (Qlogic)
Cray XT3性能データ :
http:www.psc.edu/training/XT3_Aug05/lectures/XT3_Performance.ppt
より抜粋
商用流体解析アプリケーションのStar-CDの標準ベンチマークでも、同じコア数では、S3000PTを搭載したNEXXUS
4000が、デュアルソケットのシステムに対して、より高い性能を示しています。商用アプリケーションでは、コアあたりの性能が重要ですので、S3000PTを搭載したシステムはこの点で優位性を示します。
Benchmarks STAR-CD V3240/V3260 A-Class DATASET
http://www.cd-adapco.com/products/STAR-CD/performance/320/aclass32.html
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