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pNFSの紹介とPanasasの取り組み
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この資料は、Panasas社の以前の資料に基づいて作成したものです。最新の技術情報を紹介するものではありません。

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トップページ > ストレージ製品 > 技術トピックス > パラレルNFS:pNFS


この資料は、Panasas社の以前の資料に基づいて作成したものです。最新の技術情報を紹介するものではありません。

pNFSはユビキタスな標準となるNFSに対する大きな拡張となります。pNFSとパラレルストレージに真剣に取り組んでいるのがPanasasです。

pNFSのアイデアは2003年にPanasasの創立者でありCTOでもあるカーネギーメロン大学のGarth Gibson、ロスアラモス国立研究所(LANL)のGary Grider、サンディア国立研究所のLee Wardの3人の話から誕生しました。この3人のアイデアをきっかけに2003年末に、ミシガン大学の情報技術統合センターのPeter HoneymanとGarth Gibsonが主催したパラレルストレージに関するNFSの拡張に関するワークショップが開催されました。

より多くの共同作業と様々な討論を経て、2004年に、インターネット技術特別調査委員会(IETF)への最初の提案がなされました。この提案の作成 には、Network ApplianceのPeter CorbettとPanasasのGarth GibsonとBrent Welchが共同で作業を行っています。この段階から、pNFSをNFSv4.1での2006年度の修正ドラフトとして検討していたIETFのワーキンググループに対する産業界からの支援も増え、また、より多くの企業や機関がかかわるようになってきました。PanasasのGarth GibsonとBrent Welchは、その他のPanasasのメンバーと一緒にこの標準化の作業に貢献しています。
▼pNFSの紹介

過去数年間で、ハイパフォーマンスデータセンターは、非常に積極的に並列処理技術を導入しています。クラスタコンピューティングやマイクロプロセッサのマルチコアといった並列技術は、アプリケーションの並列化、並列処理の採用を加速してきました。パラレル処理における計算処理自身は、その並列処理の度合を深め、並列度を高めることに成功してきました。そのため、現在では、計算における並列処理のボトルネックの多くは解消されてきましたが、一方、ボトルネックはストレージI/Oシステムで顕在化し、問題となっています。コンピュータシステムが急速にパラレル処理をその基幹とするに伴って、ストレージシステムもパラレル技術を採用する方向に向かう必要があります。同時にユビキタスな環境が一般化するに伴って、複数のストレージベンダーからの選択肢が可能となるような標準化が重要となり、また、様々なクライアントからのパラレルでのデータアクセスが必要になります。

ストレージシステムが次の段階の性能に進化するためには、ストレージシステム自身も効率の良い並列処理を実現し、並列度の向上を図る必要があります。また、その経済性を高めるためにも標準化は必須です。現在のネットワークファイルシステムの標準であるNFSには、パラレルでのI/O処理のサポート機能がありません。主要なストレージベンダーが提供するパラレルストレージ製品は、他社製品との互換性がありません。従って、産業界がパラレルストレージに関する標準を確立しない場合には、ユーザはこれらのパラレルストレージシステムが互換性のないために、そのシステムの採用を躊躇することも考えられます。
今年(2008年)後半、インターネット技術特別調査委員会(IETF)NFSv4小委員会がNFSバージョン4.1 RFCの一部としてパラレルNFS(pNFS)プロトコルに関する作業を終了すると予想されます。これによって、提案ドラフトの段階からNFSバージョン4.1は、標準規格に移行します。パラレルNFSは、クライアントとストレージデバイス間での直接的なパラレルでのデータ転送を可能とします。

Linux、ウインドウズおよびSolarisとAIXのような主要なUNIXプラットフォームでサポートされることが予想されます。この新しい標準規格は、Panasas、IBM、EMC、Network Appliance、サン・マイクロシステムズおよびミシガン大学の情報技術統合センターなどのストレージ技術の中核企業や研究機関や大学で開発が進んでいます。

▼現状のNFSでの課題

pNFSがどのように機能するかを理解するためには、一般的なNFSでのクライアントのファイルアクセスに際しての動きを理解することは重要で> 図-1は、典型的なNFSアーキテクチャを示しています。NFSサーバは、クライアントと実際のストレージデバイスの中間に置かれることが示されています。クライアントが、ストレージ上のファイルにアクセスする場合、クライアントはNFSサーバへのリンクを作成(マウントポイントの作成)する必要があります。クライアントからのファイルアクセスに際しては、NFSサーバはそのアクセスを仲介し、クライアントからのリクエストに応じてデータをクライアントに送ったり、クライアントからのデータをストレージデバイスに格納するなどの管理を行います。

このアーキテクチャは、扱うデータ量が少なく、また、クライアント数が少ない場合には、問題なく機能し、NFSをサポートする複数のクライアントでのデータ共有や管理などの面でDirect Attached Storage(DAS)に対して多くの利点があります。しかし、クライアント数が増え、扱うデータ量が増大するに従って、このNFSがシステムの性能劣化やボトルネックとなることが多々あります。pNFSは、NFSが持つファイル共有や運用管理の容易さを維持したまま、このクライアント数の制限や取り扱うデータ量での問題を解決するものです。

 

図-1 典型的なNFSアーキテクチャ



▼pNFSによるボトルネックの解消

ここでは、pNFSはNFSをどのように修正し、NFSの場合のボトルネックを解消するかを示します。pNFSでは、NFSを’Out-of-Band’に配置し、このNFSサーバをメタデータサーバとして利用します。従って、このNFSサーバは、データに関して、データを管理します。クライアントがデータにアクセスする場合、どのような処理がなされるでしょうか? 

最初にクライアントは従来のNFSサーバの処理と同じようにNFSサーバとデータのやり取りを行います。この後の処理は、従来のNFSとは違います。NFSサーバはクライアントのデータのストレージデバイス上でのマップを確認し、そのデータに対する書き込み/変更/読み込みの権利に従って処理を行います。従来のNFSでは、全てのデータは、NFSサーバを介在し、NFSサーバがデータパスの中心に位置していました。pNFSでは、データ処理のパスは、クライアントとストレージデバイスが直接データのやり取りを行い、NFSサーバは介在しません。このため、クライアントとストレージデバイス間でのより高速なデータ処理とNFSサーバ自身の処理負担によるオーバヘッドを大幅に低減します。

NFSの持つ多くの利点をそのままに、ボトルネックを解消し、データへのパラレルアクセスを可能とするpNFSでは、より高速なスループットと性能を犠牲にすることなく、容量の増設も可能となります。

 

 図-2 Panasas pNFS プロトコルアクセス

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