ムーアの法則:インテルの共同設立者の1人である Gordon Moore 博士が、1965年4月19日号の「Electronics」誌に投稿した、
「一定面積に集積されるトランジスタの数は12か月で倍増し、それに伴いトランジスタの動作速度が向上する」という予測 (その後、1975年に
Moore 博士はチップの複雑化を考慮してトランジスタ数の倍増ペースを24か月に修正)
このようなクロック・スピードでの性能向上が困難になっても、マルチメディアやトランザクション処理、製造業での設計計算、先端の科学技術シュミレーションといった多くの分野で、プロセッサの性能は
より高いものが求められています。また、システムのセキュリティ機能の強化や省電力のための電力管理といった機能を、プロセッサの性能を損なうことなく実装することが求められています。このような要求に対応するために、現在ではより多くのスレッドで、並列処理を行うことが必要になっています。言い換えれば、今、プロセッサの性能追及のベクトルはクロック・スピードの向上から、プロセッサ・リソースの活用によるマルチスレッドの技術革新と効率向上に向かっ
ています。
マルチスレッド性能の向上のためのマイクロプロセッサの実装技術として最も効果的なのがマルチコア化であり、マルチプロセッサ上でのスレッドレベル並列性(TLP:Thread-Level
Parallelism)の向上が消費電力とダイサイズ当たりの性能向上を図る上で求められています。