Page 5 - Panasas PanFS 8︓ アーキテクチャの概要
P. 5
ホワイトペーパー
ディレクターノードとストレージ この場合、データのトラフィックがヘッドノードに集中す
ノードのリニアなスケールアウト ることで明らかにボトルネックが発生する可能性がありま
す。高速なファイルアクセスを実行するには高速のバック
PanFS は、ディレクターノードとストレージノードの両方 エンドネットワークが必要となるため、システム全体のコ
をスケールアウトします。メタデータ処理のパフォーマン ストが上がります。対照的に、計算サーバ上の DirectFlow
スを向上させるために、より多くのディレクターノードを クライアントは、アプリケーションがアクセスしようとす
追加することができます。ストレージノードを増設するこ る各ファイルに対してそのファイルのデータを保持してい
とで、ストレージの容量の増加とパフォーマンスの向上を る全てのストレージノードとネットワークを介して直接
図ることが可能となります。 データのやり取りを実行します。
ディレクターノードは 「Out-of-Band(帯域外)」 にあるため、
PanFS のようなスケールアウトストレージシステムでは、 データ転送時のパフォーマンス低下を意識する必要のない
単純に最大性能や最大容量といった仕様の数値は意味があ 効率的なアーキテクチャとなり、スケールアウト NAS シス
りません。ノードを数台追加するだけで、より優れたパ テムによく見られるホットスポットやボトルネック、不安
フォーマンスや大容量を実現することができます。PanFS 定なパフォーマンスの発生を大幅に抑えることができます。
はリニアなスケールアウトを実現するように設計されてい
ます。ストレージノードを 50% 追加すると、容量が 50%
増加すると同時にパフォーマンスも 50% 向上します。
クライアント クライアント
NFS & 帯域外 DirectFlowクライアント
SMB メタデータ
ある PanFS のお客様は、数年の間に 1 つの PanFS
レルムへ 1,500 以上のストレージノードと 150 以 ActiveStor
ディレクター
上のディレクターノードを少しずつ追加していきま
したが、そのすべての過程においてパフォーマンス
はリニアに向上しました。このスケールアウトは、 DirectFlowパラレルアクセス
数千人の研究者で構成されるユーザーコミュニティ
において、すべての研究者が独自に HPC アプリケー
ションを同時実行している環境に対応している間に OSD OSD OSD OSD OSD OSD
実施されました。
ActiveStor Ultraストレージノード
クライアントからのパラレル転送 図2︓パラレル転送とダイレクト転送
とダイレクト転送 ファイルマップ、並列処理、イレ
PanFS は、標準的な NFS や CIFS/SMB プロトコルよりも数 イジャーコーディング
桁以上も高い帯域幅を一貫して提供可能なパラレルファイ
ルシステムです。PanFS によって保存された各ファイルは、 PanFS は、各ファイルにマップを割り当てることで複数の
多数のストレージノードにわたって個別にストライプ化さ ストレージノードを利用します。このマップは、ストライ
れているため、ファイルの各構成要素を並列に読み書きす ピングされたファイルのすべてのコンポーネントパーツが
ることが可能で、各ファイルへのアクセスのパフォーマン どこにあるか、どのストレージノードが各パーツを保持し
スが向上します。 ているかを示します。DirectFlow クライアントは、そのマッ
プを使用して直接または並列アクセスするストレージノー
また PanFS は、計算サーバがネットワークを介してすべ ドを認識します。
てのストレージノードと直接通信することを可能にするダ また PanFS は、そのストライピングの一部としてイレイ
イレクトファイルシステムでもあります。一般的なエンター ジャーコーディング ( 消失訂正符号 ) を使用し、最高レベ
プライズ製品におけるファイルアクセスは、NFS または ルのデータの完全性と信頼性を確保しています。
CIFS/SMB のサービスを実行している「ヘッドノード」を
介して実行され、ファイルを保持する HDD または SSD を
含む他のノードにバックエンドのネットワークを経由して
転送されます。
Panasas PanFS 8︓アーキテクチャの概要 5