Page 8 - Panasas PanFS 8︓ アーキテクチャの概要
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ホワイトペーパー
PanFS を、SDS(ソフトウェア定義によるストレージ)で ファイル
データ
はなくポータブルファイルシステムと呼んでいるのはこの
ためです。Panasas は、新しいプラットフォームの検証と
イレイジャーコーディングされた各ファイル
統合を行い、各プラットフォームに最適なリカバリロジッ
クを組み込んでいます。SDS の場合、パッケージのインス 1 2 3 4 5 … N P Q
トール時にエンドユーザーがシステムのインテグレーショ
ンを行い、何か問題が発生した場合にはエンドユーザーの 各コンポーネントは、ランダムに選択されたOSD上に
責任で修正しなければなりません。Panasas は、ファイル オブジェクトとして格納
システムに対する責任はお客様ではなく自社が負うべきで
あり、最優先すべきはファイルシステムの信頼性であると OSD OSD OSD OSD OSD OSD OSD OSD
考えています。
ActiveStor Ultraストレージノード
図 3︓OSD におけるファイル毎のイレイジャーコーディング
PanFS レルムを使用している間、多くのお客様が
計画外のダウンタイムをまったく経験しませんでした。
POSIX ファイル毎に複数のオブジェクトを使用することで、
並列ファイルシステムのパフォーマンスの基盤であるファ
オブジェクトストレージデバイス イルのストライピングも可能になります。
で構成されるストレージノード 大規模な POSIX ファイルは、複数のコンポーネントオブ
ジェクトとしてイレイジャージャーコーディングで格納さ
PanFS のストレージノードは、高度に洗練されたオブジェ れるのに対し、小規模な POSIX ファイルは 3 つのコンポー
クトストレージデバイス(OSD)であり、他のオブジェク ネントオブジェクトとしてトリプルレプリケーション(3
トストレージと同様にアーキテクチャによるスケールアウ 重コピー)で格納されます。このアプローチは、小さなファ
トと疎結合のメリットを得ることができます。Amazon S3 イルでイレイジャーコーディングを使用するよりも高いパ
のオブジェクトの定義などとは異なり、Panasas の OSD で フォーマンスが達成でき、スペース効率も向上するために
使用されるオブジェクトの定義は SCSI(Small Computer 採用されました。ファイルへの最初の書き込みが大規模な
System Interface)標準に基づいています。 ものでない限り、そのファイルは小さなファイルとしてト
リプルレプリケーションで格納されます。小さなファイル
イレイジャーコーディングによっ が大きなファイルになった場合は、イレイジャーコーディ
て、各ファイルは個別に最大限の ングフォーマットを利用する方が効率的であると判断され
信頼性を実現 た時点で、ディレクターノードはファイルをイレイジャー
コーディングフォーマットへと透過的に移行します。
PanFS はオブジェクトを使用して POSIX ファイルを格納しま
すが、Amazon S3 オブジェクトを使用したファイル格納方式
とは大きく異なります。PanFS では、各ファイルをオブジェ
クトに格納するのではなく、大きな POSIX ファイルを 「 コン
ポーネントオブジェクト 」 の一つのセットとして分割し、分
割したそれらのコンポーネントに追加のコンポーネントオブ
ジェクトを追加します。図の例では、イレイジャーコーディ
ングのために 「 P 」 と 「 Q 」 のコンポーネントオブジェクト
を消失訂正符号として追加して、N+2 コンポーネントオブ
ジェクトのセットでストライプ化します。
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