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ホワイトペーパー
キャッシュコヒーレンシーを持つ は、システム管理者が関与することなく以前のバージョンの
完全な POSIX セマンティクス ファイルをユーザーが直接リカバリ可能にする便利な機能
です。また、DARE(Data at Rest Encryption︓保存データの
POSIX 標準では、最新のファイルシステムのセマンティク 暗号化 ) もサポートされており、システム上のデータ保護の
スが定義されています。ファイルとは何か、ディレクトリ 強化を図ることが可能です。
とは何か、各々が持つ属性、ファイルへのアクセスに使用
される、open、close、read、write および lseek の各操作を 複合ワークロードにおける優れた
定義しています。ストレージへのアクセス用に、POSIX 標
準を活用した数十億行のソフトウェアが開発されています。 パフォーマンス
PanFS アーキテクチャは、極めて高度なパフォーマンスを
DirectFlow クライアントは、ローカルにマウントされた 実現するだけでなく、さまざまなファイルサイズやアクセ
POSIX 準拠のファイルシステムと同じセマンティクスを提 スパターンを含むワークロードや、時間の経過とともに大
供し、(別の計算サーバ上の)他のプロセスがファイルか きく変化するワークロードに対しても、非常に安定したパ
らの読み取りと同時に書き込みを実行している場合、この フォーマンスを提供します。
プロセスが古いデータを読み取らないようになっています。
ファイルシステムのターミノロジーにおいて、PanFS は これにより、他の並列ファイルシステムと比較してさらに
DirectFlow クライアントを実行しているすべてのノード間で 広範な用途や利用環境で HPC 環境における PanFS の活用
キャッシュの一貫性を提供するように設計されています。 が可能になります。他のすべての並列ファイルシステムは、
ワークロードの変化に応じて時間と手間を要するチューニ
ングや再チューニングが不可欠です。
全ての計算サーバ上で実行されている全てのプロセ
スは、常に同じファイルシステムのネームスペース、 PanFS は、HPC における用途の中心となる大容量
メタデータ、ユーザファイルデータの参照できます。
ファイルを扱うワークロードだけでなく、様々な小
規模ファイルの大量の処理が必要なワークロード
や、ゲノム解析やホームディレクトリのようにラン
データ管理︓ボリューム、ACL、ス ダムなファイルアクセスが想定されるワークロード
ナップショット、クォータ、暗号化 においても、ハイパフォーマンスなアクセスが可能
なファイルシステムです。
PanFS ファイルシステムのネームスペースのルートには、
少なくとも 1 つのボリュームを作成する必要がありますが、
複数のボリュームを作成することが推奨されています。各 ディレクターノード上の NFS およ
ボリュームは個別の管理と制御が可能なユニットであると び SMB ゲートウェイ
同時に、すべてのボリュームはレルムの容量を共有します。
たとえば、各ボリュームはユーザー毎に異なるクォータ値 PanFS のディレクターノードの役割の 1 つは、NFS および
やスナップショットのスケジュール設定が可能です。各ボ SMB/CIFS のオペレーションを DirectFlow オペレーション
リュームは PanFS ネームスペースの通常のディレクトリー に変換するゲートウェイとして機能し、ラップトップやワー
ツリーですが、あるボリュームと別のボリュームを横断す クステーションなどのクライアントが HPC 計算クラスタと
るハードリンクはサポートされていません。 同じネームスペースでデータにアクセスできるようにする
ことです。
PanFS は、-rwxr-xr-x のような従来の Linux スタイルのモー
ドビットに加えて、各ファイルおよびディレクトリのアク PanFS は高性能の NFS と SMB/CIFS アクセスを提供します
セス制御リスト(ACL)もサポートしています。これによ が、並列処理とダイレクトなデータアクセスが可能なため、
り、ファイルやディレクトリに対してユーザーアカウント DirectFlow プロトコルを利用することで常に最高レベルの
が実行できる操作について、モードビットよりもはるかに 性能を発揮することが可能となります。
細かく制御できます。ボリューム単位のスナップショット
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